アシュタンガ・ヨガ練習でシークエンス効果を実感する方法とコツ

アシュタンガ・ヨガ練習でシークエンス効果を実感する方法とコツ

アシュタンガ・ヨガ練習

アシュタンガ・ヨガ練習の基本
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決まったシークエンス

アシュタンガ・ヨガは順序が決まったポーズで構成される伝統的な練習法

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ヴィンヤサシステム

呼吸と動作を同調させて行う流れるような動きが特徴

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エネルギッシュな練習

体幹強化と柔軟性向上を同時に実現する効果的な練習方法

アシュタンガ・ヨガ練習のシークエンスと基本構造

アシュタンガ・ヨガの練習は、決められた順序のアーサナ(ポーズ)で構成されています。この厳格なシークエンス(配列)こそが、アシュタンガ・ヨガ練習の最大の特徴です。
プライマリーシリーズ(初級)の基本構成

  • 太陽礼拝A・B(スーリヤ・ナマスカーラ
  • 立位のポーズ(スタンディング・ポーズ)
  • 座位のポーズ(シーテッド・ポーズ)
  • 逆転のポーズ
  • 最終のポーズ(フィニッシング・ポーズ)

練習は必ずこの順序で行われ、決して順番を変えることはありません。この順序には深い意味があり、体を徐々に温め、筋肉を段階的にほぐしていく効果的な構成となっています。

 

サンスクリット語のカウント
アシュタンガ・ヨガ練習では、サンスクリット語で数を数えながら行います:

  1. エーカム(ekam)
  2. ドヴェ(dve)
  3. トリニ(trini)
  4. チャトヴァリ(catvari)
  5. パンチャ(panca)

このカウントシステムにより、世界中のプラクティショナー(練習者)が同じリズムで練習できる統一性が保たれています。

 

アシュタンガ・ヨガ練習で重要なヴィンヤサシステム

ヴィンヤサとは、呼吸と動作を同調させて行う動的な練習方法です。アシュタンガ・ヨガ練習の核となる概念で、単なるポーズの移行以上の深い意味を持ちます。

 

ヴィンヤサの基本要素

  • 一つの呼吸に一つの動作を合わせる
  • チャトランガ・ダンダーサナ(四肢で支える杖のポーズ)
  • ウルドゥヴァ・ムカ・シュヴァナーサナ(上向きの犬のポーズ)
  • アド・ムカ・シュヴァナーサナ(下向きの犬のポーズ)

この3つのポーズを呼吸に合わせて流れるように行うことで、座位のポーズ間の移行を行います。ヴィンヤサシステムにより、練習全体が一つの長い瞑想となり、集中力が深まります。

 

アライメントの重要性
ヴィンヤサを正しく行うためには、アライメント(正しい身体の配置)が不可欠です。骨盤・背骨・肩・膝の正しい配置により、怪我を防ぎながら効果的な練習が可能になります。
特にチャトランガ・ダンダーサナでは、肩甲骨を寄せ、肘を体に近づけることで肩への負担を軽減できます。これは初心者が最も注意すべきポイントの一つです。

 

アシュタンガ・ヨガ練習のドリスティ(視点)の効果

ドリスティとは、各アーサナで決められた視点のことです。アシュタンガ・ヨガ練習では、9つの基本的なドリスティがあり、集中力向上と精神の安定に大きく貢献します。

 

9つのドリスティ

  • ナサグライ(鼻先)- 最も基本的な視点
  • アングシュタ・マディエ(親指)
  • ブルマディエ(眉間)
  • ナビ・チャクラ(へそ)
  • ウルドゥヴァ(上方)
  • パルシュヴァ(右側・左側)
  • パダヨラグライ(つま先)

例えば、ウッターナアサナ(前屈)ではナサグライ(鼻先)を見つめることで、首の力を抜きながら内側への集中を深められます。
ドリスティが練習に与える効果

  • 外的な刺激からの解放(プラティヤハーラ)
  • 集中力の向上(ダーラナー)
  • バランス感覚の安定
  • 心の静寂への誘導

ドリスティを正しく使うことで、物理的なポーズの練習が精神的な修行へと昇華されます。これがアシュタンガ・ヨガの「動く瞑想」と呼ばれる所以です。

 

アシュタンガ・ヨガ練習で学ぶアーサナの意味と効果

アシュタンガ・ヨガの各ポーズには、サンスクリット語の美しい名前と深い意味が込められています。その意味を理解することで、練習への取り組み方が大きく変わります。
代表的なアーサナとその意味
📍 パスチマッタナアサナ - 西を強く伸ばすポーズ
「パスチマ(西)」は身体の背面を意味します。太陽礼拝で東(前面)を向いて練習するため、背中側が西となります。このポーズは背面全体を伸ばし、内臓機能を改善します。

 

📍 プールヴァッタナアサナ - 東を強く伸ばすポーズ
パスチマッタナアサナの対となるポーズで、身体の前面(東)を強く伸ばします。胸を開き、背筋を強化する効果があります。

 

📍 ジャーヌ・シルシャーサナ - 膝と頭のポーズ
「ジャーヌ(膝)」「シルシャ(頭)」が語源で、座位での前屈系ポーズの代表です。
ポーズの効果を最大化するコツ

  • 呼吸を深く保つ(ウジャイ呼吸)
  • 力みすぎず、自然な伸びを感じる
  • 完成形にこだわらず、プロセスを大切にする

各ポーズの意味を知ることで、単なる身体の動きから、自分自身との対話へと練習が深化していきます。

 

アシュタンガ・ヨガ練習を継続するための実践的アプローチ

多くの初心者が挫折しがちなアシュタンガ・ヨガ練習ですが、正しいアプローチで継続すれば必ず上達します。ここでは実践的な継続のコツをお伝えします。

 

マイソールスタイルの活用
マイソールスタイルとは、各自のペースで練習する伝統的な方法です。インストラクターが個別に指導する環境で、自分のレベルに合った練習ができます。

 

段階的な練習プラン

  • 週1-2回から始める
  • 太陽礼拝のみから習得
  • 立位のポーズを少しずつ追加
  • 座位のポーズは無理のない範囲で
  • フィニッシングは必ず行う

練習日記の重要性
練習の記録を付けることで、自分の成長を客観視できます。体調・気分・できたポーズ・感じた変化を簡単にメモするだけでも効果的です。
身体の声を聞く練習

  • 痛みがある時は無理をしない
  • 生理中の女性は逆転系ポーズを控える
  • 怪我の予防を最優先に考える
  • プロップス(補助具)の積極的活用

プラーナヤマ(呼吸法)の併用
アシュタンガ・ヨガ練習と並行して、プラーナヤマを学ぶことで、呼吸への意識が高まり、練習の質が向上します。
継続は力なり。完璧を求めすぎず、自分のペースで練習を積み重ねることが、アシュタンガ・ヨガの真の恩恵を受ける秘訣です。定期的な練習により、身体の柔軟性向上・筋力アップ・集中力の向上・ストレス軽減などの効果を実感できるでしょう。

 

アシュタンガ・ヨガの権威的な情報については、インド・マイソールのK.パタビ・ジョイス氏の系譜を引く認定指導者から学ぶことをお勧めします。

 

アシュタンガヨガ京都
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