
アシュタンガ・ヨガの練習は、決められた順序のアーサナ(ポーズ)で構成されています。この厳格なシークエンス(配列)こそが、アシュタンガ・ヨガ練習の最大の特徴です。
プライマリーシリーズ(初級)の基本構成
練習は必ずこの順序で行われ、決して順番を変えることはありません。この順序には深い意味があり、体を徐々に温め、筋肉を段階的にほぐしていく効果的な構成となっています。
サンスクリット語のカウント
アシュタンガ・ヨガ練習では、サンスクリット語で数を数えながら行います:
このカウントシステムにより、世界中のプラクティショナー(練習者)が同じリズムで練習できる統一性が保たれています。
ヴィンヤサとは、呼吸と動作を同調させて行う動的な練習方法です。アシュタンガ・ヨガ練習の核となる概念で、単なるポーズの移行以上の深い意味を持ちます。
ヴィンヤサの基本要素
この3つのポーズを呼吸に合わせて流れるように行うことで、座位のポーズ間の移行を行います。ヴィンヤサシステムにより、練習全体が一つの長い瞑想となり、集中力が深まります。
アライメントの重要性
ヴィンヤサを正しく行うためには、アライメント(正しい身体の配置)が不可欠です。骨盤・背骨・肩・膝の正しい配置により、怪我を防ぎながら効果的な練習が可能になります。
特にチャトランガ・ダンダーサナでは、肩甲骨を寄せ、肘を体に近づけることで肩への負担を軽減できます。これは初心者が最も注意すべきポイントの一つです。
ドリスティとは、各アーサナで決められた視点のことです。アシュタンガ・ヨガ練習では、9つの基本的なドリスティがあり、集中力向上と精神の安定に大きく貢献します。
9つのドリスティ
例えば、ウッターナアサナ(前屈)ではナサグライ(鼻先)を見つめることで、首の力を抜きながら内側への集中を深められます。
ドリスティが練習に与える効果
ドリスティを正しく使うことで、物理的なポーズの練習が精神的な修行へと昇華されます。これがアシュタンガ・ヨガの「動く瞑想」と呼ばれる所以です。
アシュタンガ・ヨガの各ポーズには、サンスクリット語の美しい名前と深い意味が込められています。その意味を理解することで、練習への取り組み方が大きく変わります。
代表的なアーサナとその意味
📍 パスチマッタナアサナ - 西を強く伸ばすポーズ
「パスチマ(西)」は身体の背面を意味します。太陽礼拝で東(前面)を向いて練習するため、背中側が西となります。このポーズは背面全体を伸ばし、内臓機能を改善します。
📍 プールヴァッタナアサナ - 東を強く伸ばすポーズ
パスチマッタナアサナの対となるポーズで、身体の前面(東)を強く伸ばします。胸を開き、背筋を強化する効果があります。
📍 ジャーヌ・シルシャーサナ - 膝と頭のポーズ
「ジャーヌ(膝)」「シルシャ(頭)」が語源で、座位での前屈系ポーズの代表です。
ポーズの効果を最大化するコツ
各ポーズの意味を知ることで、単なる身体の動きから、自分自身との対話へと練習が深化していきます。
多くの初心者が挫折しがちなアシュタンガ・ヨガ練習ですが、正しいアプローチで継続すれば必ず上達します。ここでは実践的な継続のコツをお伝えします。
マイソールスタイルの活用
マイソールスタイルとは、各自のペースで練習する伝統的な方法です。インストラクターが個別に指導する環境で、自分のレベルに合った練習ができます。
段階的な練習プラン
練習日記の重要性
練習の記録を付けることで、自分の成長を客観視できます。体調・気分・できたポーズ・感じた変化を簡単にメモするだけでも効果的です。
身体の声を聞く練習
プラーナヤマ(呼吸法)の併用
アシュタンガ・ヨガ練習と並行して、プラーナヤマを学ぶことで、呼吸への意識が高まり、練習の質が向上します。
継続は力なり。完璧を求めすぎず、自分のペースで練習を積み重ねることが、アシュタンガ・ヨガの真の恩恵を受ける秘訣です。定期的な練習により、身体の柔軟性向上・筋力アップ・集中力の向上・ストレス軽減などの効果を実感できるでしょう。
アシュタンガ・ヨガの権威的な情報については、インド・マイソールのK.パタビ・ジョイス氏の系譜を引く認定指導者から学ぶことをお勧めします。
アシュタンガヨガ京都
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