サットヴァ純質とは?ヨガ心理効果と食事で整える方法

サットヴァ純質とは?ヨガ心理効果と食事で整える方法

サットヴァ純質とは

サットヴァ(純質)の基本概念
🌟
純粋性・調和の象徴

心をクリアにし、真の自己に導く質

⚖️
三つのグナの調和

ラジャス・タマスとバランスを取る中心的存在

🧘
ヨガの最終目標

心をサットヴァに近づけることが解脱への道

サットヴァ純質の意味と語源

サットヴァ(sattva)は、サンスクリット語で「純質」「純粋性」「魂」「存在」を意味する重要な概念です。インド哲学、特にサーンキヤ学派において、世界の物質的活動の質料因である根本原質(プラクリティ)を構成する三つの要素の一つとされています。
このサットヴァという概念は、ヨガやアーユルヴェーダにおいて「純質・純粋性・魂・存在」を表し、心の最も理想的な状態を指しています。元々はサットヴァで均一であった意識に、ラジャス(激質)とタマス(暗質)が生まれたために、様々な経験をもたらす現実世界が生まれたとされています。
サットヴァな性質は、純粋、汚れがない、明るい、軽い、幸福と結びつく、正知といった特徴を持ちます。否定性のない純粋な心でクリアな状態を表し、調和し、澄んだ落ち着きのある考えが特徴です。

サットヴァ純質と心の三つの質(トリグナ)

サットヴァは、心の機能を構成する三つの質(トリグナ)の一つです。トリグナとは以下の三つで構成されています:

  • サットヴァ(純質):純粋性、調和を意味し、輝きのある存在、純粋な真実、思いやり、無償の行動を表します
  • ラジャス(激質):動きを司り、激しさ、激情、怒り、欲望、渇愛といった性質
  • タマス(暗質):安定性を表すが、惰性や鈍さも含む性質

サットヴァの性質は明確、集中、穏やか、そして受容的です。何が起きても揺るぎない状態で、穏やかであり、クリアで安定している心を表します。サットヴィックな心を持っている人は、親切で、やさしく、静かで、調和的であり、礼儀正しく、公正であり、ものを明確に見通す力を持っています。
バランスが取れている状態で物事を公平に見ることができ、周囲を気にせず自分の誠実な生き方ができるのがサットヴァの特徴です。知性、生産性、目標を達成する力もあり、浄化された状態で安定していて、自己コントロールができていて明朗です。

サットヴァ純質がもたらす心理効果

サットヴァが優位な状態では、様々な心理的な効果が得られます。迷うことなく物事に対して冷静であり、自然と満足感や幸福感に満ち足りていて、愛情深い状態になります。心の波はいつも穏やかで寛大で、苦悩も心の質によっては幸福に変えてしまうことができる可能性があります。
心の健康と強さを得るためには、心のサットヴァを高めることが絶対的に必要とされています。「心のスタミナ」をつけるためには「心のサットヴァを高める」ことが重要で、これにより心の苦痛を回避することができます。
サットヴァが減り、ストレスなどの心理的なアーマ(毒素)が増えると、知性が働かず自分に害のある行動をしてしまいます。後ろ向きな考え方に陥ったり、他人に対して批判的になったり、偏った欲求を抱くようになってしまい、極端な嗜好や偏食などが常習化してしまうこともあります。
そのため、アーユルヴェーダの目的の一つは、いかにサットヴァの質を高めていくかということになります。

サットヴァ純質を高める瞑想と実践法

サットヴァを高めるための具体的な実践方法があります。まず、瞑想やヨガの実践が効果的です。主にマットの上での瞑想でサットヴァを体験することができ、純粋な静寂を楽しむことも重要です。
日常生活での実践方法として、以下が挙げられます。

  • 正直でいること
  • 自然に触れる(海や川、山など自然を感じる機会をつくる)
  • 無判断により心の静寂を体験する時間をつくる
  • 愛情・慈しみの心・思いやりを持って周りの人に接する、年長者を敬う

また、感情の動きのペースや心の動きのペースをスローダウン(Slow down)させることも、サットヴァ的な甘やかな人生を目指すために有効です。これは自分を甘やかしているのではなく、サットヴァ(純質的)な幸福感を心地よく感じられるゆとりを作ることです。
息を吐いた後、そして息をまた吸うときにギャップを感じることで、思考や恐れ、判断から解放される一瞬を体験できます。エゴを減らし、より高い知性に耳を傾けて行動することができるようになります。

サットヴァ純質を育む食事法と生活習慣

食事によってもサットヴァの質を高めることができます。トリグナ(3つの質)は食べ物や食べ方でも左右されるものです。サットヴァを高める食事には以下のような特徴があります:
サットヴァな食べ物の特徴

  • 新鮮で適度に甘みや油分があるもの
  • 軽く、柔らかな、適度に油分を含み、消化によい食物
  • 出来立ての料理
  • お米・穀物やごま油、ギー、ナッツ、多くの豆類、多くのハーブ類、ココナッツ、新鮮な牛乳、新鮮なフルーツや野菜、はちみつ、新鮮な水、甘い食物

食べ方のポイント

  • 6つの味(甘味、塩味、酸味、辛味、苦味、渋味)のバランスがとれていること
  • 適量であること
  • 季節に応じた食事
  • 愛情を込めて作られた出来立ての食事に感謝の気持ちを持って食べること

一方で、刺激的なものやカフェイン、アルコールの摂りすぎ、イライラした気持ちで食事をしたり焦って食べたりするとラジャス(激質)を増やし、加工食品や残り物、添加物の多い物や油分の多い物、時間をかけすぎての食事はタマス(鈍質)を増やしてしまいます。
欲のままに食事をしてしまったり、お腹が空いてないのに食べてしまったり、仕事をしながら、本を読みながら食事をしてしまうことは避けるべきです。私たちが食べたものは、私たちの心をつくるからです。
サットヴァな食事を続けていると、心もサットヴァな状態になり、純粋な意識としての真の自己にもっとも近い状態になることができます。