
シヴァナンダヨガ クラシックは、西洋医学の医師でもあったスワミ・シヴァナンダによって創設され、現在では世界40ヶ所のセンターと9ヶ所のアシュラムを運営する大きな組織へと発展しています。このヨガは「適切な運動(アーサナ)」「適切な呼吸(プラーナヤーマ)」「適切なリラクゼーション(シャバーサナ)」「適切な食事」「ポジティブシンキングと瞑想」の5つのポイントに体系化されています。
クラシックなシヴァナンダヨガの基本的なクラスは、以下の流れで構成されています:
このシステムは肉体的な要素を重視するヨガと比較して、アーサナ(ポーズ)を瞑想と呼吸と同等と位置づけており、それらの統合を重視している特徴があります。
シヴァナンダヨガ クラシックでは、特に2つの呼吸法が重要な役割を果たしています:
📍 カパラバディ(火の呼吸)
📍 アヌローマヴィローマ(片鼻呼吸)
このヨガのメリットは多岐にわたり、「癒しのヨガ」として深いリラクゼーション効果があります。現代社会で生きる私たちのストレス緩和に特に効果的で、同じ環境でも余裕をもった対応ができるよう心身を変化させます。また、ポーズごとのキープ時間が決まっているため、呼吸数を数えることで落ち着いてポーズを行えているかどうかの自己観察ができるのも特徴的です。
シヴァナンダヨガ クラシックの核となる12の基本ポーズは、前屈・後屈・逆転・ねじりなど多様な動きをバランスよくカバーしています:
各ポーズの間にはシャバーサナ(屍のポーズ)やバラーサナ(チャイルドポーズ)での休息が組み込まれており、身体の弛緩を繰り返してバランスを取っていきます。この構成により、体力に自信のない方や初心者から上級者まで、すべてのレベルの人が実践できます。
シヴァナンダヨガ クラシックの最も特徴的な側面は、単なる身体的な練習を超えた包括的なアプローチにあります。このヨガでは、食事や思考パターンまでを含めた生活全体の調和を目指します。
レッスンの最初と最後にはマントラを唱えるチャンティングが行われ、これによって心のバランスが整えられます。特に注目すべきは、レッスンの序盤にヘッドスタンドを行うという構成です。ヨガの時間の序盤は心身の状態が分かりやすく現れるため、ヘッドスタンドによって「今の自分」を的確に把握することから始めて、その後のポーズで心身を整えていくという独特のアプローチを採用しています。
また、シヴァナンダヨガではチャクラを意識したポーズや呼吸、瞑想のほか、「アーユルヴェーダ」による食事への意識など、伝統的で総合性のあるアプローチを行います。これにより、宇宙と一体化するスピリチュアルな体験をすることができるとされており、自身のスピリチュアリティを高めたい人に特におすすめです。
シヴァナンダヨガ クラシックを実践する際の重要なポイントは、呼吸と心の関係を意識することです。心と呼吸数は深く関係しており、呼吸を用いて心を観察することもコントロールすることもできます。
実際の練習では、各ポーズのキープ時間がある程度決まっているため、初心者は呼吸が浅く呼吸数が多くなりがちですが、練習を重ねて落ち着いてポーズの中で佇めるようになると、とてもゆっくりな呼吸になっていきます。この変化を通じて、目に見えにくい心の変化も実感しやすくなります。
シヴァナンダヨガは師と弟子が一緒に住みながら修行を重ねて学ぶという伝統的なグル・パランパラー(師弟継承)の教えに基づいており、単なるフィットネスとしてのヨガではなく、生き方そのものを変革する実践として位置づけられています。
継続的な実践により期待できる効果として、身体全体のバランス強化、内臓機能・自律神経の調整、精神的安定とマインドフルネス、そしてライフスタイル全般の改善があげられます。特に現代人に多いストレスや不安に対して客観的に対処できる精神的落ち着きが培われ、食生活の見直しや早寝早起き、セルフケアの習慣など、ヨガの練習時間以外の生活リズムや思考パターンも徐々に改善されることが期待できます。